2015年1月26日月曜日

箸持ち

撮影の立ち会いがたまにあります。
主にこれは出版関連が多いのですが、メーカーさん立ち会いの場合もあり、過去に色々と大変な目に遭っているのです。

撮影の事前準備は、企画書からダミーカンプのプレゼンに、調理内容とレシピの確認、場合によっては幾通りかのレシピを提出してそれの試食会で決める、という結構面倒なものなのです。
そのために、何度も調理人やスタイリストさんと“漏れ”が無いか確認します。
何かひとつの素材や皿がないために、撮影が中断されることもあるのです。
そんな段取りをしていて、撮影の現場で突然わけの判らない“ダメ出し”をするクライアントさんがいるのです。


通常のレシピ本の撮影は料理点数が多いので、1時間で2~3点撮影を目標にしていますが、クライアントさん立ち会いは1点を2時間くらいかけて撮ります。
この時に立ち会いのクライアントさんが「う~ん」と唸り、考え始めるのです。
的を射ているならいいのですが、どうでもいい事や無理難題を言う事も多く、「それまで何段階もかけてプレゼンしていたのは、何のためだ!」となるわけです。
おまけに、撮影がどんどん押して終わらない!

そこでハルコの仕事は、クライアントさんが不必要に撮影に口出ししないように気をそらすことです。
料理撮影で中身が見えにくい時は、料理の一部を箸やスプーンで持ち上げて撮りますが、ハルコは長年箸持ちをしており、今では左右どちらの手でも箸持ちが出来るようになりました。
しかし、クライアントさんが来ている時は「たいこ」を持つのです。

2015年1月23日金曜日

入りにくい居酒屋

自宅でテレビを付けた時に、毎回同じ番組に出会う時があります(本当に偶然です)。
NHKBSの「世界入りにくい居酒屋」という番組がそれで、観るとはなしに観ているのです。


世界中の地元の人しか行かない、ましてや旅行者なんか行かない(行けない)ような、難易度の高い店が出てくるのですが、皆例外無く混んでいる店ばかりなのです。
ネットで調べてみると、現地のコーディネーターにリサーチしてもらい、スタッフが実際に飲みに行き「入りにくい」と判断すると撮影交渉するそうです。
今までに、ラスベガス、ナポリ、ボストン、ハノイ、グアダラハ、ホーチミン、エディンバラ、マデイラ島、ポルト、リバプール、ゲント、ブリュッセル、ミラノと広範囲にわたって紹介しています。これが公共放送の受信契約料で制作されていると思うと、ちょっと腹が立ちますね(笑)。

旅行に行った時に、たまにそんな店に行った時は結構ビクビクものでしたが、日本でも知らない、入りにくい居酒屋に行く時は緊張します。
店の客(常連さん)や店の雰囲気(中に入るまで不明)と、オーダーの仕方(これが一番分かりにくいのです)。
たまに地方に一人で出張する機会がありますが、そんな時は勇気を持って(大げさですね)突入するのです。
誰でも予約できて入れる料理屋さんと違い、入りにくい居酒屋さんは驚きやサプライズがあり、それが楽しみになってくる年齢なハルコなのです。

2015年1月19日月曜日

みりん

今朝のNHK「あさイチ」の特集は「みりん」でした。
番組ではみりんの魅力の他に、健康に良いという視点で構成されていました。
根底にあるのは家庭で調理する際にみりんがあまり使用されない、または使い方がよくわからず、使い切ることなく余ってしまうというのを解決する、という内容でした。


みりんがあまり使われなくなった最大の原因は、「酒税法」にあると以前から考えているのです。
みりんは元々、調味料として使われる他に飲料用にもされており、江戸時代にはみりんに焼酎を加えたものは「直し」や「柳蔭」とも呼ばれ、夏場に冷やして飲む風習もありました。
数十年前は、みりんをは酒屋さんや酒販売免許を取得している所でしか購入できませんでした。これは、みりん自体が14%のアルコールを含んでいる紛れもない酒だからなのですが、現在みりんをアルコールとして好んで飲む人はいるのでしょうか?

話を元に戻します。
そういうわけでもないのでしょうが、酒の販売免許のいらない店で販売している「みりん風調味料」はアルコール度数が1%未満なので、これは酒税がかからない種類で、ちゃんとしたみりんは「本みりん」と区別されているのはご存知ですね。

しかし長年みりん風調味料で育ってきた家庭では、本当のみりんの美味しさや素晴らしさが判らずに、本みりんを使う機会がなく、みりんを使う食文化が衰退して来たのですが、最近は伝統の醗酵文化としても見直されており、もっと家庭の料理に活用して欲しいものですね。

2015年1月14日水曜日

弁当列車が走る!

今朝は伊勢丹新宿本店キッチンステージのセミナーの日だったのですが、いつものように早めに新宿三丁目で地下鉄を降りると、地下鉄から伊勢丹への入口のシャッターが下りているではありませんか!
地上に出ると長蛇の列で、「あぁ、今日からクリアランスセールが始まるんだ」と思い出す次第でした。

平日なのに凄い人出で、開店時間も15分繰り上げられ、セミナー中も何だか普段の空気とは随分違い、少し落ち着かない感じがしました。
丁度今日から1ヶ月後の2月14日はヴァンデーがあり、チョコレートばかりではなく色々なギフト商品が店内に溢れてきますね。
その2月14日釜石の三鉄で、新しいお弁当列車が走ります。

「あまちゃん」で有名になった三鉄は北の方ですが、南の方の三鉄のために「賛否両論」の笠原料理長がオリジナル弁当を考案しました。ハルコは昨年サンプルのお弁当をいただきましたが、三陸の海の幸たっぷりで美味しかったですよ。
震災以来、南三陸と北三陸鉄道が不通になっている釜石・宮古間で一日も早く復活出来るように、「三賛六弁当」をご支援ください。



三鉄の新しい公式駅弁「三賛六(さんさんろく)弁当」誕生!
2/14(土)お披露目列車を運行しますので、申し込みの上、ぜひご参加ください。
今回監修を行った人気和食料理人、笠原将弘シェフも乗車します!
第1便:三陸鉄道釜石駅 午前11時   受付開始
第2便:三陸鉄道盛駅  午後0時15分 受付開始
【問】三陸鉄道釜石駅 電話:0193-22-1616

2015年1月13日火曜日

体温

このところ寒い日が続いていますね。
一昨年の1月はわが家はオクサマ・ハルコ共々インフルエンザに罹り、外出も出来ずに大変な思いをしました。
昨年は慎重に風邪を引かないように、ほぼ1日おきにカレーを食べて風邪の予防に努めておりました。これは、カレーには漢方薬と同様の成分があり、人体の免疫力を上げる効果があると思い、実行しておりました。


この3連休の前後は仕事していましたが、日曜は久しぶりに長時間の散歩をしました。休み休みですが、4時間くらい歩いたでしょうか。
帰ってきて晩ご飯を食べた後に体の節々が痛み、少し頭痛もしたので「やばい! 風邪か?」と思いました。日中はさほど寒くはなかったのですが、夕方からグンと冷え込んで体温が下がったようです。
念のため、予防に風邪薬を飲んで寝たら翌日は大丈夫でしたが、過去の経験から体温が下がったと思うと風邪を引いたり、胃腸の具合が悪くなったりしています。

細菌やウィルスなどの外敵から体を守るのは免疫力ですが、その根幹は体温だと思います。
風邪で熱が出るのは体がウィルスと闘っているのからなのですが、ついつい熱を下げるという対象療法をしがちですね。
まだまだこれから寒い日が続きます。今月もカレーを食べて免疫力を高めなくては!

2015年1月8日木曜日

料理セミナー初日

今日は朝から伊勢丹新宿本店キッチンステージでの初セミナーでした。
ご存知の方も多いかと思いますが、伊勢丹新宿本店地下にある「キッチンステージ」というイートンレストラン(物版もあります)の運営会社は貝印です。
このレストランの企画運営を、ハルコがお手伝いしているのです。

基本は2週間ごとに各ジャンルのシェフに季節に合わせたメニュー展開をしていただき、専属のシェフスタッフが調理をして提供しています。
その開催期間中に2回、お客様を募集して料理セミナーを開催しているのです。1回17席で、年に直すと約800名もの方がセミナーに参加していることになりますね。
その際お客様には、料理を食べていただきながらシェフの調理のデモンストレーションやトークを楽しんでもらう、という趣向です。

運営する側は、百貨店のオープン前からシェフをお迎えして、セミナー中は3時間ほどずっと立ちっぱなしなのです。
中では美味しそうな料理にワインを召し上がっていて楽しそうですが、お腹は空くし腰は痛いしと、なかなか大変です。
これも年間にすると140時間、約6日間は丸ごと立会になる計算ですね。貝印の運営で
3年になることを考えるとハルコの人生の中で1ヶ月はここにいる計算になります。
まぁ、こんな計算をしても仕方がないと言えばそれまでですね。
たまに(たまにですよ!)セミナーを一瞬抜け出して、すぐ側にある立食いそば屋に出かけて空腹を満たしたりしているのです(これは、秘密ですが)。ふふふ。


2015年1月7日水曜日

NARISAWA屋台食堂


今日は七草粥の日で、松の内も終わりですね。昨日は暖かで夕方から雨でしたが、六本木の東京ミッドタウンの芝生広場に行ってきました。2015年1月7日(水)~3月8日(日)の61日間の期間限定でアイスリンクが開設されるのです。
えっ、ハルコがスケートするのかって?
とんでもございません。目当ては設営されるアイスリンク横にオープンする、NARISAWAプロデュースのキッチンカーです。
成澤由浩さんが日々大切に伝え続けている日本の食文化と、素晴らしい食材を全国から集めて毎日提供する、という趣向です。
ハルコは昨晩、博多モツ煮を岩手の南部美人でおいしくいただきました。
ただ会場に行くのが遅れて、メインのイベントの高橋大輔のスケートは見られませんでしたが、彼が帰っていくのだけは確認しました。

NARISAWAの実験的な料理のほかにも、赤坂にオープンした老舗洋食の東洋軒のプロデュースと、軸を少しづつ動かしながら、今度は日本の食材を使って椀や汁ものと、週替わりで提供なさるそうです。
この形態がキッチンカーなのですが、最近はよく見かけますね。
事務所の近所でも、昼時にテイクアウトのランチを提供しているキッチンカーには、長い列が出来ています。



食文化の形態としては、江戸時代から連綿と続く外食の草分けの煮売り屋さん、屋台鮨、二八蕎麦などの延長なのが面白いですね。
屋台の鮨屋さんは最初は道端で商売していたのですが、明治時代に道端では不衛生ということから禁止され、一部の鮨屋さんは他の店舗の軒先を借り受けて商売をして、やがて一軒家の立派な店を構える、という進化を遂げてゆきますが、グランメゾンからキッチンカーで客のいる場所に移動して商売するという逆進もいいですね。
山形のアルケッチャーノの奥田シェフは、若い料理人育成でキッチンカーシステムを活用していると聞いたこともあります。

2015年1月6日火曜日

冬のおでん、夏のおでん

昨日は仕事始めでしたが、普段より早めに仕事を切り上げて(と言っても19時台ですが)久しぶりに神保町方面へ出かけました。
いつもは閉店ギリギリの店ばかりで選択肢は無いのですが、まだ早いので神保町から小川町まで探索しました。
正月明けで何が食べたいかと、オクサマと意見の一致を見なくてはなりません。

まずこれは、引き算なのです。
寒い、ゆえに体を冷やすものはダメ。
正月中にオクサマは牡蠣の生で体調を崩されたので、魚介関係や寿司屋さんは除外。
自宅にまだ生のへぎ蕎麦が残っているし、新潟のダーチャでも随分食べたので蕎麦も除外。
日本料理はおせち料理でたくさん食べたので、これも除外。
そこで洋食に傾きかけ、スペインバルやイタリアンの側を通りましたが、満席で入れず断念。
するとオクサマが、「この近所に『おでんや』さんがあるはず」と(サラファンも前を通って、イタコさんがよく行くと思い出したらしい)、小川町「狩の川」へ。
普段おでんは「銀座のやす幸」ばかりですが、たまにはいいか。

これが、ピンポン!
熱燗でおでんは冬ならではの楽しみですが、夏の暑い日のおでんもいいのですよ。
楽しみな店が1軒増えた松の内でした。

2015年1月5日月曜日

仕事始め


昨年末に身内の不幸もあり、本来なら喪中ハガキを出さなくてはいけないところでしたが、12月に出張も重なり何も出来ずに年末年始を迎えてしまいました。
年賀状をくださった皆様には重ねて御礼申し上げます。

一休禅師

正月や冥土の旅の一里塚
めでたくもあり めでたくもなし


という有名な句があります。年々歳々思うところですね。

年齢的にリタイア世代に入りましたが、まだまだやらなければいけないことも山積です。今年は少しずつ片付けていく年になりそうです。

本年もよろしくお願いいたします。
ハルコ