2014年6月18日水曜日

レモン水


暑くなると、冷たくて清涼感のある飲み物が欲しくなりますね。
手元の資料を読んでいたら、1877年の6月18日に「岸田吟香が『東京日日新聞』にレモン水の広告を掲載」とありました。
1877年は明治10年で、この年の2月には西郷隆盛の「西南の役」が勃発したのです。

この岸田吟香は大変面白い人で、ジャーナリストや実業家と多方面に活躍していました。ちなみに息子は洋画家の岸田劉生です。
私たちがローマ字を書く時には“ヘボン式”という表記法がありすね。このヘボン氏が『和英語林集成』の編集をするのを、岸田吟香さんが手伝っていたのです。
その辞典が上海で完成(印刷)して、吟香はヘボン氏から製法を伝授された目薬「精錡水」の販売を始めたのです。
そして、1973年に冒頭の『東京日日新聞』に主筆として迎えられ、ジャーナリストとしても活躍するのですが、自分の「精錡水」を誌面で広告したりと、新聞広告の商業活用の初期に成功させた人なのです。

その吟香の広告はレモン水の広告で、
「私方にて精製のレモン水は此れまで世間にありふれた粗品にあらず、
 専ら西洋の法に従がひ味の清涼甘味なることは申すに及ばす、
 養生の為を第一としたる良品なり(以下略)」

これで大瓶五合五勺入りで代金35銭、小瓶は20銭で、コップ一杯の水に少し入れて飲むそうです。今の貨幣に換算すると、大瓶は大体3000円、小瓶1800円。いわば濃縮レモン液ですね。
今売っているレモン液(例えばポッカレモン)は450mlで500円。
そう考えると、明治10年のレモン水は高価だったのですね。

レモン水はレモンと水、レモネードはレモンと水に甘味(蜂蜜やシロップ、砂糖)を加えて作りますが、このレモン水を甘くしたかどうかは判りませんでした。
ちなみに明治元年にはレモネードの製造は開始されてます。
あぁ、喉が渇いた!

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