2014年5月16日金曜日

日本の食の大転換の年

昨年、和食が世界文化遺産に登録されましたが、かつて日本の食生活の危機の時代があったというお話です。


1983年(昭和58年)にある諮問が提言されました。
その内容は、「私たちの望ましい食生活・日本型食生活のあり方を求めて」という、識者が厚生省(当時)に出したもので、「1日30食品を目標に」「食塩は1日10g以下を目標に」と「食育」から和食の文化遺産登録まで繋がっていく岐路となりました。
単なる食生活の見直しばかりでなく、遠因は年々増加する医療費の抑制のため食習慣から変えていく、という意味があったのです。
それと同時に、消費者の米離れを食い止めるために「米食」が推奨されたのです。


そして、この諮問を元に1985年5月16日に厚生省から「健康づくりのための食生活指針」が発表されました。
欧米型の脂質やカロリー過多の食事から、「日本型食生活」の一汁三菜をモデルにしたスタイルへ、約30年かかって見直しされてきたのです。
その頃、ハルコは女子栄養大学の『栄養と料理』という雑誌の制作にも関わっておりましたが、丁度1985年は『栄養と料理』の創刊50周年でした。雑誌が発行されてからの50年の日本人の食生活の変遷年表を作成したのです。

そういう意味では、日本での食に対する意識向上には目を見張るものがありますね。
しかし、日本で作り上げている食のルールが、TPPなどで安易に海外のルールが入ってくるのは問題です。
逆に日本のルールを海外に当てはめる運動も必要ではないかと思うのです。
和食の文化遺産は味やスタイルだけではなく、そのルールも一緒に発信していくべきだと思うのです。
「日本型食生活提言」から30年、また2度目の日本の食文化の大転換の年になりそうな気がしています。

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