2014年3月7日金曜日

三谷幸喜・国民の映画

パルコ劇場で三谷幸喜作・演出の『国民の映画』を観てきました。
3時間の長丁場でしたがたっぷり堪能しました。
この劇は3年前の3.11の頃に上演していたものの再演です。
はじめのコミカルな内容が、最後にユダヤ人の殲滅という歴史の闇に繋がるのですが、個人的に16歳の頃を思い出しておりました。


この頃のハルコは、漠然と「イラストレーターになりたいなぁ」と思っていました。
当時、伊坂芳太郎さんというイラストレーターに憧れ、その精密な描写に惹かれていました。
伊坂芳太郎さんの線は、細い面相筆描かれているのですが、未熟なハルコはかぶらペンでマネをしながら描いてました。
それをB全のパネルに描こうとして選んだテーマが「ドイツ第三帝国」だったのです。
この作品を描くために、『ドイツ第三帝国興亡史』(全5巻)を始めとして、ヒットラーの『マインカンプ(わが闘争)』や第一世界大戦後のワイマール共和国の歴史、ユダヤ人迫害の歴史等々を読みあさりました。
そして描き上げたのが今日のブログの画像です。

この所、『アンネの日記』を図書館で破いた事件から、ユダヤ人迫害の歴史などニュースでよく登場してますが、このあたりの歴史をどの程度理解しているのでしょうか。
アーリア人種の優位をはかる政策で、ホロコーストという歴史上でも最悪の出来事は、言葉では知ってはいても日本人にはわかりにくい問題ですね。
ユダヤ教の選民思想、キリスト教のユダヤ人に対する棄民の問題の本質は、歴史でどんどんねじ曲げられて今日まで続く災禍です。
そんな事を16歳のハルコ少年は考えていたのです。

真ん中の空白は、最後のワイマール共和国大統領ヒンデンブルクで、舞台に登場する“あのお方(ヒットラー)の右が宣伝相ゲッペルス、ヒットラーの後ろがナチス親衛隊ヒムラー長官。そして、ヒンデンブルクの後ろが空軍元帥ゲーリンク。
中に描き込んでいるのは、その時代に関係している人物です。
しかし今から考えると、16歳のハルコは相当オタクですね(笑)。

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