2014年2月20日木曜日

知る権利、知らせない権利。

今週中の雪は避けられるようでほっとしていますが、まだ雪の中で大変な思いをされている方も多いようですね。

昨日のニュースで大変気になったものがありました。
「秘密の隠れ家」を売りにしている大阪のバーが、グルメサイト「食べログ」に掲載された情報の削除を拒否されたとして、サイトを運営する「カカクコム」に対し、情報の削除と損害賠償を求める訴訟を起したというものです。
これは、今週ブログで書いた「フードポルノ」とも繋がる話です。


事の是非は裁判なのでどちらの立場に立つ訳ではありませんが、「カカクコム」は表現の自由を理由に削除を拒否しているのです。
投稿を前提としている食べログの立場としては、この判決が拡大されて他の事例に移る危険と存在自体の真価が問われるのだと思います。
逆に、店の立場としては「一般には知られたくない、教えたくない限定の店」といった、現在の顧客の求める「秘密の隠れ家」というにスタイルに対し、食べログへの掲載は「全然"秘密”ではなくなり、存在価値が失われてしまう」ために営業妨害となる、というものではないでしょうか。

世の中、予約が困難といえば何としてもその店へ行こうとする人々や、会員や特別顧客限定と聞けば、またそこへ行きたいと思う人達も沢山おります。
このような方々が沢山いるからこそ、外食産業への経済波及があるのですが、難しい問題ですね。

かつて「HANAKO」が全盛の頃、ある地域に限定して飲食店の特集を組み、雑誌が発行されてから瞬く間に情報を見た客が多数訪れ、常連客が入れない状態になりました。そして一過性のブームが過ぎた後には常連客も戻らない、という店が多く出現しました。
この時代「あぁ、HANAKOに紹介されたからこの店もお仕舞いだな」とささやかれ、その後絶対「HANAKO」の取材は拒否するという店も増えたのでした。

HANAKOの場合は雑誌を専門とするプロが取材するわけですが、件の大阪のバーに関しては、問題はその店の客が情報を投稿したという点にあります。
今や、日々情報がネットで飛び交う時代ですが、何でもいいというのではなく、節度が必要です。
一応ハルコも食関係の仕事をしていますが、個人的には公に教えたくない、誰にも邪魔されたくない店もあります。
ですから、この裁判の行方は大変気になるのです。

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