2014年2月13日木曜日

菜の花忌

先週から寒い日が続いていますね。また今週末も雪になるとか……。
もうじき春の足音も聞こえてくる頃ですが、春らしい風景と言うと、ハルコは菜の花畑を連想します。昨日、2月12日は司馬遼太郎の命日で「菜の花忌」だったのです。
昨日のブログは、高校生の野菜でしたが、本当は書きかけのブログを忘れていました。


司馬遼太郎は野に咲く花、とりわけタンポポや菜の花といった黄色い花が好きで、『菜の花の沖』という長編小説があることにも由来しています。
ちなみに小説『菜の花の沖』は、淡路島に生まれた嘉兵衛の波瀾万丈の生涯を描いた物語です。
嘉兵衛は水主(かこ)から沖船頭(船の責任者)となって、独立して蝦夷地への海路を開きます。嘉兵衛は幕府から「蝦夷地常雇船頭」を任じられ、その功により苗字帯刀を許され、その頃南下政策を取ってきた帝政ロシアとの騒動に巻き込まれるのです。

20代の頃から司馬遼太郎を読み始め、いわゆる「司馬史観」に随分と影響を受けました。司馬遼太郎は現代に繋がる昭和は意図して書いていませんが、『坂の上の雲』でも戦争に突入した根っこの部分に太平洋戦争への批判を読み取りました。

ハルコが一番好きな作品は、村田蔵六こと大村益次郎を主人公にした『花神』です。
大村益次郎は、靖国神社の大鳥居をくぐった場所に巨大な像があるのはご存知だと思います。
彼は医師(蘭学者)を志して大阪の適塾で蘭語を学び、洋書を翻訳する際に一度も見た事のない蒸気機関の仕組みを、文字から読み取って図解で起こし、さらに海外の軍事システムを翻案し、具体的な組織に活かす能力を持っていたのです。
これを司馬遼太郎は、白地のカンバスに想像だけで正確な絵が描ける……と、表現したのです。

この『花神』を読んで数十年。
ハルコの仕事の根底の、「いかに想像力を働かせて仕事をするか」という考え方の一番重要なきっかけになったこともあり、この本に感謝した「菜の花忌」でした。

写真:イメージスタイル様 http://www.imgstyle.info/index.php

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