2014年1月29日水曜日

初物を食べると……


昔から、「初物を食べると寿命が75日延びる」という諺がありますように、どうも日本人は初物に弱いようです。
正月の築地のマグロなんてのも、昨年まではずいぶん高価(こうじき)だったようですが今年は落ち着いたようですね。
また色々な季節が巡りますと、初物を喰った人はこれまた自慢する、といういやみな輩も多く。
特に、秋から冬にかけては顕著でございまして、
「ハルコさん。ふぐ食べた?」
「ハルコさん。松茸は?」
今なら、「ハルコさん、白トリュフ食べた?」や「コールヴェール食べた?」……と、うるさいったらありゃしない!

そんな初物好きは、江戸時代から現在まで繋がるDNAなのでしょうか。
今から350年程前の寛文5年(1665年)。将軍様は四代家綱の時代の今日は、府が「蔬菜魚鳥」の出荷を決めた日なのです。

「初物」は「走物(はしりもの)」とも言い、
値段に関わらず人よりも少しでも早く手に入れて、味わうことが江戸っ子の見栄だったのですが、これが物価の高騰を招いたというので、幕府は細かく初物の期日を定めたのです。
鱒、椎茸は1月から4月まで、土筆は2月、山葵・生姜は3月で、鮎・鰹・筍・茄子・枇杷は4月から…………と、こと細かに規定したのです(新暦旧暦は気にしないで)。

料理関係の仕事において、撮影は先々の物を撮ることが多いのですが、本当に早過ぎて困ることが多々あります。
真夏に青いいが栗、12月に青梅。この二つは成りもので、本当に入手が大変でした。
これは初物以前のものですが、この頃は年中初物が多いような気がしますね。
季節の先取りと言って季節感を壊しているのも事実ですが、困ったことに消費者がその辺を理解していない、知らない、という問題もあります。
その辺をどう折り合い付けるかが今後の課題だと思うハルコでした。

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