2013年10月8日火曜日

神の右手、悪魔の左手

今日は台風の影響のせいか、夏に逆戻りしたような暑さですね。

先週の岩手の食材の旅で、勉強になったことは沢山ありましたが、一番感銘を受けたのは中洞牧場の中洞正さんのお話でした。
本当の牛乳とは何かという話と、日本の酪農は酪農ではなく“乳農”だという話です。
これは文化の話でもあるし政治の話でもあるのですが、真っ当なモノを作ろうとすると、大きな組織に阻まれることが多々あります。
酪農の観点から言えば大きな壁は農協ですが、ここでは良い悪いという事ではなく、自分自身が関わってきた仕事には、常に二面性があったということです。


「来るものは拒めず、去るものは追えず」がハルコの長年の仕事のスタンスで、一時農協関係の仕事も随分しておりました。
農協と真反対の立場の方々とも親交がありますが、仕事をしていてよほどの哲学や信念が無い限り何でも引き受けてしまい、自分の中でも矛盾を起します。
今度は農協と対立している海外の食肉振興協会の仕事をしたかと思えば、国内の食肉の協会の仕事もしたり……と節操が無い事、枚挙にいとまがありません。。

だしに関しても、家庭できちんとだしを取るための器具や方法を展開する仕事の反対で、大手の食品添加物の沢山入っている商品の販促のお手伝いをするなど、ハルコの右手と左手は随分相反することをしてきました。

最近考えるのは消費者の視点ですが、「単に安ければ良い」「高くても良いものであって欲しい」この間で右往左往していることが多いのです。
それぞれの立場で見ると相手の事が許されない。高くても良いものは、おそらく全消費者には行き届かない。
TPPが推進されると、その辺の区別がこれからの重要な課題だと思うのです。
神の右手と悪魔の左手は、融合出来るのか、それとも……。

0 件のコメント:

コメントを投稿