2013年7月22日月曜日

うなぎの災難……。


今日は“土用の丑の日”なので、全国のうなぎは受難の1日ですね。
今朝、新潟かから帰って来て、本当は昨夜はうなぎを食べる予定でしたが、お店が貸し切り状態で予約出来なかったのです。
あぁ、うなぎが食べたかった!

帰りの新幹線でそんなことを思いつつ、今年は(昨年も)どんどんうなぎの価格が高騰しているというニュースを目にしますね。
原因はうなぎの稚魚(シラスウナギ)が少なくなり、養殖用にも不足がちとか(シラスウナギの稚魚は1970年に200tをピークに減少。昨年は何と5.2tだけ!)。
うな重の小が3500円のものが、今年は4500円と1.5倍にもなっているのです。
まぁ、ここまでは良いのですが、一部のスーパーでは逆に値下げしている所もあり、昨年大量に仕入れて冷凍していたものを出しているそうですね。

本題はここからです。
世の中の仕組みは「需要と供給の関係」なわけですから、需要に対して供給が少なくなるなら、その食材(料理)は高くなるのは自明の理です。
グルメや美食の浸透で、日本全国で“うなぎ、うなぎ、うなぎ”と叫ばれる状態です。
これが良いとか悪いとかではなく、「適正な価格」がどこにあるかという話です。

資源は未来永劫には存在しないのです。
このままで行くと、ヨーロッパ産のうなぎの稚魚は絶滅危惧種になり、日本へは禁輸になる可能性すらあります。
中国や台湾から来ているものはどうなんでしょうか。
うなぎ屋さんだってうなぎの価格が高騰し、やむなく値上げをしていますが、高くなり過ぎると客離れが進み、廃業する店もあるのです。
スーパーでの価格は企業努力としても(客が望むからという理由でも)、本当は全体でのバランスが欲しい所です。

客からすれば、「旨いもんを安く食べられて、どこが悪いのだ!」と言う声も聞こえてきますが、その辺の事情を知らずに食べている内に、本当に目の前からうなぎが消えていく日が来ると思うのです。
クジラ、クロマグロ、チョウザメ(キャビア)……なども(立場で意見が異なるやもしれませんが)、近未来で口に入らなくなるのでは。

例としては「鶴」があります。
鶴は江戸時代では最高の鳥料理として珍重されていたのです。
秀吉が秋冬の鶴を初鶴として朝廷に贈り、江戸の前期でも相当食べられていたようですが、現在では鶴料理を出す店はたぶん皆無ですね。
うなぎもその内に……。

えっ、「そんなことなら毎日うなぎを喰いまくる!」と言うあなた、お引き止めはしませんが……。

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