2013年7月19日金曜日

師匠とその弟子

「料理人と客の相性は年齢の近さにあるのではないか?」と考えた事があります。
自分の年齢を軸にプラス5歳・マイナス5歳して、10歳の幅に入れば相性が良いのではないだろうか、と思ったのです。
今考えると短慮の部分はありますが、一概に否定も出来ないと現在でも思っています。
その理由の一つは、食に関しての同時性をどう体験していたか、ということです。

「レストランひらまつ」の平松宏之さんが、まだ西麻布の地下に「ひらまつ亭」を営業していた時代によく食事に行っておりました。
ある時に、食後の雑談でワインの話になり、その当時輸入されていたポルトガルの“マティウス・ロゼ”が、お互いの最初に出会ったワインだったのです。
ハルコと平松さんは1歳違いで、食の時代の履歴がお互いによく理解出来たのです。
それが、自分の年齢と料理人の年齢差と味覚の相性はどうだろう?と考え始める契機だったのです。
それから、30年も経ってしまうと、自分の年齢の上5歳はリタイヤされたり、自分では料理を作らない方々も、寂しいけれど増えてきました。

ハルコに料理の世界に関心を持たせてくださった2人の料理人がおります。
一人は年齢は10歳以上上ですが、フランス料理の酒井一之さん。もう一人は日本料理の野崎洋光さんです。
ハルコはこのお二人を“師匠”と呼ばせてもらい、勝手に自分の事を“弟子”であると自称しております(多分迷惑だと思いますが、黙認してくれているはず)。
ご両人からは、料理の事ばかりではなく色々な事を教わりました。ハルコの料理に対する考え方は、お二人から非常に影響を受けているのです。
以前、取材で「レストランアイ」の松嶋啓介さんに会った時に、彼はハルコの事を酒井さんの店の客として認識していたという話を聞きました。
そうすると「松嶋さんとハルコは酒井さんが師匠で、松嶋さんはハルコより下なので、弟弟子だね」と言ったら、すごくイヤな顔をされました(笑)。


今朝は新宿伊勢丹キッチンステージで、「アロマフレスカ」の原田慎次さんのセミナーでした。
原田さんとハルコの年齢差は15歳で、相性理論では幅が有り過ぎます。しかし、原田さんが師匠と仰いだのは六本木時代の「ジーノ」の佐竹弘さんだったのです。
原田さんはジーノの客だったハルコを覚えていたのです。
そして、佐竹さんとハルコはなんと同い年なのです。
さすがに佐竹さんは師匠ではないのですが、同時代に食のシンクロを経たという意味では同志かもしれません。
佐竹さんが高校生の時に大阪万博があり、そこのイタリア館で食べたパスタが契機でイタリアンの料理人になったのです(原田さんはその万博の前年の生まれ)。

師匠とその弟子と客の関係で、キッチンステージに関わっていると最近は弟子筋の料理人と遭遇する事が多いのです。
師匠達もっとがんばれ!

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