2013年5月16日木曜日

食生活の転換した1985年

今日のブログはちょっと固い内容です。
1985年の今日の5月16日は、日本の食生活の転換が始まった日なのです。
えっ、そんなの知らないって? ではハルコが解説しましょう(エヘン!)。


厚生省(当時の)が「健康づくりのための食生活指針」というのを発表したのですが、そもそも「食生活指針」というのは、国が国民に対して「望ましい食生活はこうだよ!」と知らしめたものなのです。

最初は、戦後すぐの1945年(昭和20年)8月15日の「食生活指針」で、戦争当時の困窮した食糧難を切り抜けることを目的として、主食には玄米が推奨され、雑穀や野草など食糧になるものについて言及されていました。
それから40年後の1985年(昭和60年)に、厚生省は「健康づくりのための食生活指針」を策定したのです。
40年も経て、日本人の食生活は確かに豊かにはなったのですが、豊かになり過ぎて生活習慣病になる人が増加し、医療費が増加して国の予算が不足し始め、「こりゃいかん!」と指針が出来たんですね。

指針の一部を抜粋すると、
主食・主菜・副菜をそろえて、一日30食品を目標に、動物性の脂肪より植物性の油を多めに、食塩は一日10グラム以下を目標に、こころのふれあう楽しい食生活を。
最後の「心のふれあう」はよけいなお世話のような気もしますが、現在の食のヘルシー指向やダイエットの潮流はここから出ているのです。
この頃ハルコは、よく女子栄養大学出版部の仕事をしていたので、随分国策に沿うような内容の本を制作しておりました。

そして、15年後の2000年(平成12年)3月、厚生省、農林水産省、文部省が共同で食生活指針」を策定し、この頃から「食育」という言葉が多く登場するようになったのです。
指針の一部を抜粋すると、
主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。ごはんなどの穀類をしっかりと。
脂肪のとりすぎをやめ、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。
たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。
牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで、カルシウムを十分にとりましょう。
塩辛い食品を控えめに、食塩は1日10g未満にしましょう。

そこに、改定では1985年の「一日30食品を目標に」という指針は削除されてしまったんですね。

さらに、具体的な指針として、
2000年(平成12年)3月31日、厚生省は「21世紀における国民健康づくり運動」を10か年計画ではじめ、5年後の2005年(平成17年)、厚生労働省と農林水産省が共同で「食事バランスガイド」を策定したのですが、ここにハルコもキャラクタ−として登場したのでした(イラスト参照)。

1985年は、本当に現在まで繋がる大転換の年ですが、果たして日本人の食生活は良くなったのでしょうか。

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