2013年4月12日金曜日

縄文人の鮭好き?

出土した古い縄文土器の一部から、調理をしたと思われる痕跡が見つかったそうです。
調理した痕跡のある縄文土器が発掘されたのは、北海道と島根ですが、約1万1千~1万5千年前のものだそうです。ちょっとピンと来ませんね。

縄文土器の焦げ跡を分析した結果、魚の油分の劣化したと見られる脂肪酸が検出されています。川か海かは判らないのですが、深鍋の土器を300度近い高温にし、煮炊きした証拠と判断したそうです。
そして、煮炊きした魚はの可能性が高いのだとか。
うむ、縄文人の鮭好きは、現在の私たちまで連綿と続く日本人のDNAなのでしょうか。


以前、ハルコは「学研の図鑑」の制作に携わっていたことがあります。6冊ほど作ったのですが、その中の1冊に『遺跡・土器・石器』というのがあります。
図鑑の仕事は非常に時間と手間がかかるのですが、この図鑑もほぼ1年かかりました。
一緒に組んでいた編集者から、「今度はこのテーマだから、基礎的な書籍を読んでおくように」と、大量の資料を渡されます。

まず、総合監修の先生と個別の章の先生の元に出かけて、レクチャーを受けるので、先生達の大学の夏休み中が多いのです。
暑い最中クーラーの効いていない、カビ臭い研究室で「この石器は……」などの話を聞いて、帰ってからその話を元にページ構成のコンテを制作します。
それを翌日見てもらい、修正して、また新しい項目の話を聞くのですが、これが毎日、予習・復讐と小テストしているようですね。
子ども向けなのですが、まず、自分が理解出来ないと図形や図版の元が作れないので、大変時間がかかるのです。
こちらからの「この土器では何の料理を作っていたんですか?」という質問に、「推定では考えられるけど、確証が無いので図鑑には用途は書くことは出来ない」と答えられるのです。
これは、比較考古学と呼ばれる分野ですが、現在の科学的な測定器の発明で、やっと用途が判る時代になったと、感慨深く新聞の記事を読んだのです。
また、この頃から食や料理の起源を知りたくなって、自分で「レシピの考古学」と名付けた分野の研究をしたいと思っていたのでした。

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