2013年3月11日月曜日

箸……2 箸使いが下手だと線が引けない?

今日は東日本大震災から2年目ですが、まだまだ岩手、宮城、福島を中心に復興が遅れています。
未だに午後の14時46分は夢に出てきます。早く皆様に幸せな春が訪れますように……。


箸の続きです。
箸の上げ下げ、使い方は基本的に家庭での躾だと思いますね。
ふと思ったのですが、皆さんはお鮨を食べる時に、箸を使うか、それとも手で直にいただいているか、どっちが多いのでしょうか。
ハルコは基本的に直に手でいただいてます。
考えてみれば、すごいことですよね。
鮨職人さんが手づかみで酢飯に手を突っ込み、手で山葵を塗って、魚の切身を手でのせ、また両手で握って、そのまま客に出す。
世界中でこんな“へんてこな”料理があるでしょうか。インド系の方々がカレーを手で食べると言っても、鮨の方が過激だと思いますね。

手で握ったものを直に手で食べる。
これは、双方の深い信頼関係がないとダメですね。
ハルコは月イチ「はしぐち」で、いつかは橋口さんに、握ってもらった鮨を直接口に入れて貰える日を心待ちにしてます(親からエサを貰うひな鳥)。
手で直接食べる方が、箸という異物を通して食べるよりも旨いと思うのです。
海外では、直接手で握るのは不衛生ということで、ビニールの手袋を着けて握っていますね。
このことは、箸文化圏でない方々も箸を上手に使っているのを見ると、お箸の国の人もちゃんと使えるんだろうかと思います。

最近ではあまり見なくなりましたが、竹の物差しというのがありました。
現在のメートル法ではない百貫法の時代のものですが、小さい頃は竹でもメートル法の目盛の付いたものを使っていた記憶があります。
その竹には溝が彫られているのですが、何のためにあったのか皆さんはご存知しょうか?
実は、この溝と箸の正しい持ち方には深い関連があるのです。

昔、日本(アジア)では筆記具として筆が使われていたので、西洋の様にペンなど定規で直線を引くのが困難だったわけです。
そこで、古代の人は考えました。
竹の定規に溝を付けて、そこに滑らかに左右に移動出来る、先端が丸みを帯びている棒を使うことを考えついたのです。
その棒と筆を平行にして、左から右へ動かしながら描いていくと、筆でも真っ直ぐな線が引けると。
この技法は「溝引き」という名前ですが、ちゃんと箸が持てないとぐじゃぐじゃした線になってしまうのです。
いかに箸が生活の中で重要か、という一例ですね。(続く)

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