2012年11月28日水曜日

奇妙な仕事……2


1995年の「団塊世代の五年後のライフスタイル」のレポートの中面。

1990年の5年後、1995年の「団塊世代の五年後のライフスタイル」はどうなっているか!?
こんな問題は、本来はシンクタンクなどがやる仕事ですが、肝心のシンクタンク機能をこれから持とうという組織からの間接依頼でした。

ハルコは、幾人かの人を集めて相談することにしました。
当然団塊世代という年代のターゲットがありますね。現在は団塊世代はリタイヤしていく年代ですが、その当時1990年代はまだ、40代の前半から後半へかけての働き盛りでした。
1990年は衆議院選挙が行われ自民党が圧勝し、時の総理大臣は海部俊樹、幹事長は小沢一郎です。ゴルバチョフがソ連(ソ連ですよ)の大統領になり、ローリングストーンズが初来日し、勝新がパンツの中にコカインを入れて捕まり、みんなティラミスを食べまくり、「おどるポンポコリン」が大ヒットして東証株価は史上2番目の高値を競って、その後に平成大不況が始まるとは誰も思っていなかったのです。
1995年という5年程度近未来の期間では、さほど変化は無いかと思っていたのですが、2年後にはバブルの崩壊という崖が待っていたのです。

話は1990年に戻り、5年後に社会がどう変化するかの予測は、それぞれキーワードを持ち寄り編纂することにしたのです。
異化、快感の科学、環境破壊、機能性食品、自然回帰、再生紙、創造的進化過程、タイムコラージュ、地水風水、バウハウス、プロトタイプの追求、ホームコロジー、セミプロシューマー、ポストモダン、会員化、シンクロ・エナジー、世紀末、ゆらぎ、互換性、ファジー、ハイパーテキスト……。
今となっては意味不明なものも沢山ありますが、22年経てもまだ使えるキーワードがありあますね。

例えば、「タイムコラージュ」
これは別に目新しい物ではなく、1980年に亡くなったカナダのメディア学者のマーシャル・マクルーハンの“メディア=メッセージ(『人間拡張の原理』)”からの引用です。
雑雑誌やテレビが同じ時間軸のうちで内容がバラバラでも、受け手は戸惑うことなく受け付ける。
この理論で20世紀のメディアは進んで来たと思うのですが、「一見、何らストーリー性のないものを、コラージュのように媒体として捕える。これが、タイムコラージュ感覚である」と、その当時のハルコは書いてます。
現在FB(フェイスブック)でのやり取りを見ていると、まさにタイムコラージュが媒体化しているのを実感しますね。

こんな「奇妙な仕事」を受け、最終的には製本した形式のレポートを13部作成して納品したのでした(写真はその冊子です)。
1部あたりのコストは、なんと13万円!
その後、そのシンクタンク組織が機能したとは聞いてませんが、どうも無駄なことの多い時代でした。
(つづく)

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