2012年11月15日木曜日

職業としての料理研究家……その4


テレビ東京で、朝8時から「世界の料理ショー」を再放送しているのにはビックリしました。今から35年以上前に放映してた番組ですね。

ハルコは、この「世界の料理ショー」ラハム・カーの大ファンだったのです。
カナダの料理エンターテインメント番組で、料理研究家のグラハム・カーが、スタジオの観客の前のキッチンでユーモア溢れるトークをしながら、絶妙なテクニックで料理を作ります。最後に、スタジオに来ている客の中から一人を選び、作った料理を一緒に食べるのです。
その時の、食べているグラハム・カーとお客さんの顔というのが、とても良いのです。その当時20代だったハルコはテレビ画面を見ながら、涎を流さんばかりでした。
ある意味で、この「世界の料理ショー」を見てから、料理に対して興味が出てきたのかもしれません。
画面に登場しない“スティーブ”を相手に、助手も出て来るわけではなく、シンプルに流れるように料理を作る番組のコンテンツは、今でも最高だと思うのです。
彼はこの番組のための用意やリハーサルに、19時間もかけていたそうです。
グラハム・カーの奥さんが番組のプロデュースをしていましたが、夫婦二人が交通事故に逢い、番組は終了したのです。
そして、1990年に「新・世界の料理ショー」として復活しますが、前に比較して低カロリー健康指向に変わったのは、カー夫妻と社会が変化を求めたということでしょう。

料理研究家の最大の売りとしては、トークがいかに上手いかだと思います。
レシピや原稿をまとめる能力と同時に、第3者に判りやすくメッセージ伝える能力は重要です。
これがプロの料理人だと、喋るのは上手でなくても良いのですが、やはり客商売ということで、皆さんトークはお上手です。
フランスで最初にテレビで料理番組を持った「グラン・ヴェフェール」のレイモン・オリヴェは、三つ星シェフの腕前とトークの上手さで一時代を築きました。

ある意味では、料理研究家はサービス業の一種です。
マスコミに登場する料理研究家の皆さんはトークのお上手な方が多いですね。
それぞれ優しく言う方、叱りつけるような言い方をする方、ユーモアのセンスのいい方と、個性豊かです。
料理サロンに生徒として来られる人たちも、先生のトークを楽しみにしていることも多いようですね。

料理研究家は「一にトーク、二に料理」と言ったら叱られるでしょうか。
また、マーサ・スチュアートのように、ライフスタイル全般を憧れの対象とした料理研究家は、次回に続きます。

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