2012年11月27日火曜日

奇妙な仕事……1


「奇妙な仕事」と言えば大江健三郎の初期の短編小説で、(僕)が“犬殺し”を手伝う話、「奇妙な果実」と言えばビリー・ホリディの“黒人リンチ”を歌った曲ですね。40年ほど前にこの二つにハルコは同時に出会い、小説を読み、レコード聴いたのでした。
「奇妙な仕事」というタイトルで何か書こうと思ったのですが、別に変な仕事ではありません。
その道の専門家だったり、仕事の関連があれば別に「奇妙な仕事」にはならないのですが、ハルコの所に持ち込まれて来ると、それが自体が「奇妙な仕事」になるのです。

自分で事務所を構えて35年になります(あぁ~本当に長い)。
最初はエディトリアルデザイナーとして出発したのですが、飽きっぽいのか、道を踏み外すはめに……。
その道の専門家に頼めばいいのですが、なぜかハルコの所に。まぁ、頼む方も問題ですが、引き受けるハルコもどうかしていているという「奇妙な仕事」第1弾です(うむ、そのあと続くのか?)。

時は1990年、バブル真っただ中。正確に言うとバブル時代は1986年12月から1991年の2月までだそうです。
ある広告系の会社と仕事をしていましたが、そこを独立された方からの依頼でした。
1990年の5年後、1995年の「団塊世代の五年後のライフスタイル」はどうなっているか!? を研究するという内容です。
びっくりでしょう? 電話で話を聞いて受話器を落とすわ、飲んでいたコーヒーは吐き出すわで……。

どうもこのバブルの時代には、大企業がこぞって「生活研究所」なるものを立ち上げていたのです。
家電大手のナショナル(現パナソニック)が生活研究所を作り、それに負けじと某大手家電も生活研究所を立ち上げたんですね。
本来その研究所で研究するテーマを、多分そこの知り合いに相談し、そこからハルコへ丸投げで来たのだと思います。
その頃オクサマにこの話をしたら「ばかじゃない!ハルコに頼むなんて!」
はい、ハルコもごもっともと思いますが、なにせ「来る物は拒めず、去る物は追えず……」をモットーとしておりますので、引き受けてしまいました。
さて、それはどんなドタバタになるかは明日へ続きます。

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