2012年10月24日水曜日

レシピの考古学

昨夜は、伊勢丹キッチンステージで本日から始まる「銀座とよだ」の、ディスプレー入れ替えの立会をしていました。
その時に、ぞくぞくして風邪を引いてしまったようで、今日はイマイチです。
皆さんも風邪など召さぬようにご用心ください。ヘックション!

料理を作る時に参考とするのが“レシピ”ですが、最近はクックパッドなど手軽に検索出来て便利ですね。
ハルコも料理途中でレシピが不明になるとネットで検索して調べます。
どうしてこんなに、レシピが世の中で多く情報発信されるようになったのだろう?と、考えてしまいます。

日本人が世界中の料理を貪欲に取り込むのと、世界中の食材や調味料が入手可能になった背景もあるでしょう。
それと世代論になりますが、戦中を過ごしていた世代は食糧難で料理どころではなく、次世代に料理の伝承を出来なかったこともあるのでは、という仮説をハルコは考えているのです。

仕事で、レシピを読んだり書いたりする機会が多いのですが、参考に色々なレシピの比較をしていると、同じ料理なのにレシピが随分違うのは当然として、過去の料理本を読むと現在では考えらえない作り方が出ていたりします。
ハルコはこれを『レシピの考古学』と呼んでおります。
そんなレシピの考古学に役立つのが、この『近代料理書の世界』(江原絢子・東四柳祥子著/ドメス出版)です。
日本の近代の料理本が、1900年以前から戦前の1930年代まで多数紹介されております。

約半世紀の料理書の流れですが、現在と比較して見ていくと非常に面白いですね。
食材の有無、冷凍技術の有無、そして、流通が整備されていない時代の食材の保存法など。またレシピの基本中の基本、何人分作るのか。
大家族時代のレシピから、核家族時代のレシピに個食レシピ…と、レシピは時代を反映したアーカイブなのです。

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