2012年5月29日火曜日

肉じゃが検定


今回このブログを書くにあたり、肉じゃが検定というのを発見しました。
が、これはまったく関係のない話を書きます。

どう書こうか迷ってしまいますが、今を去ること11年前に友人が小学館文庫から『肉じゃがは謎がイッパイなのだ!』というタイトルの本を上梓したのです。

この友人はその頃は某出版社の料理編集者で、よく一緒にご飯べたりお酒も飲んでおりました。
ある時に、書籍の企画の打合せの合間の雑談中に、「オトコが食べたい料理の番付」って何だろう?という話が出て、その第1位が「肉じゃが」だったのです。
しかし、その友人曰く「おれ、北海道生まれで肉もジャガイモも一杯あるけでど、家でおふくろは一回も作ってくれたことも無いし、食べたこともないぞ!」
ここから、二人で「肉じゃが」の迷宮探訪が始まりました。

まず、あるだけの肉じゃがに関しての資料を捜して、いつから肉じゃががおふくろの味ナンバーワンにして、男性が食べたい料理の1位になったかを特定しました。
二人で立てた仮説は「この肉じゃがは長い料理を誰かが短くしたに違いない」
そこで当たった資料はNHKの『きょうの料理』テキストで、味の素のライブラリーに通いました。
ここでネタばらしをしてもつまらないので、アマゾンで見つけていただきましょうか。

一部内容をご紹介すると、
「昭和四十年代の料理本には、じゃがいも料理さえ載っていないのダ」
「肉じゃがらしきものは明治時代からあった?ネーミングは昭和四十八年頃?」
「肉じゃがはホントウに”明治以来のおふくろの味だったのか?」
「昭和五十年の女性誌記事の“夫が好む献立100選”に肉じゃがの名」……
肉じゃがのルーツを辿っていくと、世界史まで繋がる壮大な内容ですが、分かり易い文章で簡潔にまとまっている本になりました。
1章ごとに感想と資料探しをお手伝いした本でした。

著者・三本章こと、本名川本敏郎。
長年の友人でしたが、3年前にがんで逝去しました。
今だに、肉じゃがを見ると彼を思い出します。

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