2012年5月9日水曜日

鮨の宝典「鮓・鮨・すし」

普段からは大好きですが、鮨関係の調べ物をする時に必ず参考にする本があります。
『鮓・鮨・すし」すしの事典。吉野曻雄著(旭屋出版)です。


吉野曻雄(ますお)さんは1906年生まれ、日本橋・吉野鮨本店の三代目で、1991年に85歳でお亡くなりになっています。
鮨屋の店主であると同時に、野口元夫という芸名で俳優もしていました。
ハルコが小学校の頃に、NHKの「事件記者」という人気ドラマで“山長”という渋い役をしてました。また、伊丹十三監督の映画、「たんぽぽ」「マルサの女」「あげまん」などにも出演していたのです。
その吉野曻雄さんの凄いところは、鮨の事典を作るために、長年俳優の仕事で得たお金を全て鮨の資料などの購入のために私財を投げ打っていたことです。 『鮓・鮨・すし』は、鮨の世界のことを知りたい方のための宝典なのです。

ところで今、“鮨”と書きましたが、他に鮓、寿司、すし、スシ……と色々な表記があるのを疑問に思った方はいませんか?
その疑問に、吉野さんは大胆な仮説を提唱しているのです。
江戸時代に、新井白石が酸っぱいから「スシ」と唱えて誰も疑問を持たなかったそうですが、白石の時代にすしは酸っぱかったかどうか考察をしたのです。

元々すしは中国大陸から伝来した時に、「鮓」と「鮨」が混乱した情況で流入したそうです。その辺は『すしの美味しい話』中山幹著(中公文庫)に詳しくあります。
新潟で新たな鮨に出会い、この本を読み返してます。

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