2012年4月13日金曜日

旅と食……3 シンガポール編


今はガーデンシティとして大変きれいなシンガポールですが、30年前はゴチャゴチャした市場が沢山残っていました。
初めてシンガポールに行った時には、あちこちに古い時代の市場や街が随分残っていました。
それから1年も経たないうちに、再びシンガポールへ出かけたのですが、去年あった市場が半分無くなっていました。その時に思ったのは「急激に東南アジアは変化している」という事です。

シンガポールの数ヶ月前にフィリピンに遊びに行ったのですが、その時の大統領はマルコスでした。
1983年8月4日にマニラに行きました。同じ月の21日にアメリカから帰国したベニグノ・アキノが暗殺されたのは、それからわずか2週間後の出来事でした。
その当時のシンガポールの首相はリー・クアンユー。マレーシアはマハティール、インドネシアはスハルト、そしてフィリピンのマルコス。マルコスは結局1986年にアメリカに亡命して、ベニグノ・アキノの夫人コラソン・アキノが大統領になるのです。
東南アジアは激変する、今見ておかないとこの景色は二度と見る事がないと、確信したのです。

東南アジアでホテルのバーが好きになったのはシンガポールからです。
まだ古い時代のラッフルズホテルをこよなく愛した作家に、サマセット・モームがいます。そのモームのネームのあるバーカウンターで“シンガポールスリング”を飲み、「ラッフルズ、その名は神秘に彩られている」と、モームの言葉を反芻して楽しんでいました。
暑い地域で夕方にいただくカクテルの愉悦は、そのまま東南アジア好きの道を行くのでした。

次回は中国の蛇鍋に続く。

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