2012年2月24日金曜日

パスタの作法とフォーク


イタリアの地中海の保養地“フォル ディ マルミ”に滞在していた時です。
毎日海岸沿いのレストランで昼食を取っていました。

隣にイタリア人の4人親子がいて、パスタを食べていましたが、気になったのが父親のパスタの食べ方です。パスタをフォークにからめて廻す回数が非常に多いのです。
それとなく回数を数えていましたが(暇ですね)、10回数えての平均値は17回!! ハルコはせいぜい3〜5回です。多いと思いませんか?
フィレンツェ在住の友人にその話をしたら、「パスタを廻す方向にも面白い話があるよ」と言います。パスタをフォークで時計回りに廻すのを、逆にすると不幸になるんですって。“マンマミーヤ!”

そもそも、イタリア・ナポリではパスタは庶民の食べ物で、手づかみで食べるものでした(パスタの普及は17世紀以降)。
ナポリ国王のフェルナンド2世はその庶民の食べ物パスタが大好きで、自分の晩餐会に出すために、上品な食べ物だという意味で、フォークを使いました。
実はフォークの歴史は短いのです。ナイフは人類の歴史と添うように存在していますが、フォ−ク自体の原型は、先が二股に分かれている肉を焙るために使う道具でした。
これを、カトリーヌ・ド・メディシスがフランス国王アンリ二世に嫁いだ時に持ち込んだのが1533年。当時はフォークは“気障な道具”“華美で女々しい道具”(失礼な!)と呼ばれていたそうです。

フォークの歯は最初の二股から3つ、4つと増えて行きましたが、5本歯、6本歯もあったそうです。機能として4本歯に改良されたのは18世紀のドイツで、イギリスで普及したのは19世紀の終わりです。そう考えるとフォークは100年ちょっとの歴史なのですね。
パスタを食べる時はスプーンは使わないでフォークだけで、とか色々と小うるさい作法をいう人もいますが歴史的に見ると、つい最近のことなのです。

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