2012年1月31日火曜日

料理と科学

『料理王国』誌上で最初の連載をした時に、最初に考えたテーマは「調理科学」でした。料理は科学で、もっと言い換えれば、理科が解れば料理も上手になる。だから、男子は理科をするつもりで調理すればうまくなるはず。
と考えたのですが、その当時の担当I嬢は、「ダメです。ハルコさんに科学は似合いません。男子、それも中高年対象の家庭科にししましょう」
ということで、『お手伝いハルコと学ぶ中高年からの家庭科』というタイトルになりました(I嬢は現在『料理通信』)で副編集長をしておりますが)。
それから10年は過ぎましたが、ハルコは未だに「料理と科学」の関係を追求しております。


久しぶりにハルコの推薦図書ご紹介です。
 『Cooking for Geeks(料理の科学と実践レシピ)
Jeff Potter 著 水原文 訳(オーム社)
昨年の9月に初版が出て12月に増刷、とこの手の本としては珍しく出ているのではないでしょうか。ハルコも昨年朝日新聞で読んで、購入しようと思っていたら年を超してしまいましたが、友人の小旦那さまからのプレゼントでいただきました。
表題の『Cooking for Geeks』は直訳すれば『料理オタク』(Geeks は元々コンピュータ用語)。著者はコンピュータのベンチャー企業を立ち上げたエンジニアで、料理オタク。
この本は決して判りやすくもなく、読みやすいわけでもありません。また、本当か?と疑問が出てくる個所も多々あります。が、面白いのです。
本人が作成したレシピもひと味違う(科学の味)のです。
大家エルヴェ・ティスの影響も感じられますが、理科と料理の好きな男子なら読み解けること請け合いです。

目の前にある“当たり前のこと”(例えば卵の白身と黄身が固まるのは違う温度)を「なぜ」「どうして」と考え、疑問を氷解させ実践レシピに応用する。
ハルコ自身も、この「料理と科学」を一体化した方法で料理に向かいたい、と日々考えておりますですよ。

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