2012年1月20日金曜日

食の批評へ……エスプリ2


食に関する本を随分と集めてきました。特に食探訪の本を読むのは、非常に楽しいことです。まだ行ったことのない国、街、市場、料理店……。
その中で1冊の本に出会いました。1985年に刊行された『パリの味』(文芸春秋)という本です(1988年には文春文庫ビジュアル版)。
パリ在住のジャーナリスト増井和子さんがお書きになった本です(写真は丸山洋平さん)。この本を水先案内として、本に出ているレストランを制覇しようと(無謀にも)考えたのです。
80年代のパリ(フランス)の料理シーンは、とてつもなく凄い時代でした。新しい料理人が出てきて活気に溢れていた時代でした。

『パリの味』に掲載された店の全部には行けませんでした。ジャマン(ロビュション)、ル・デュック、ギ・サヴォア、ランブロアジー、ルカ・キャルトン、ラセール、ラミ・ルイ、ラ・トゥール・ダルジャン、ラ・マレ、キャヴィアール・キャスビア、ファラモン。
リストを書いてみると、結構行ってますね、専門店を除くと行っていない店は4軒くらいでした。
増井さんの文章でレストランの情景と、(情報ではなく)何が良い料理なのかが染み渡ってきました。
それと同時に、フランス料理の歴史や食文化も合わせて非常に勉強になりました。
まさに、本全体がエスプリに溢れているのです。
それは、フランス料理とそれを作るシェフに対する尊敬と愛情があるからです。
料理に対して食材も調理法も無知で、ただ単に「うまい、まずい」と匿名で書くような輩には判らない世界でしょうね。
逆に料理を作る側にも言えることです。料理を食べる側の立場で料理を作る事が出来るか、それは、厨房もホールも一緒の話です。

ハルコは料理店と客の関係「恋愛関係」だと思います。
そこの料理と料理人、店を愛し通い続ける。それは短い付き合いなのか、それとも長い付き合いになるのか。料理店の時間と同じくらい自分も年を取って寄り添う、そんな店が人生を豊かにすると思うのです。
(定期的に続きます)

●ハルコ食べ歩き絵日記公開
毎回食べ歩きに行く度に絵日記を描いておりました。
「GaultMillau(ゴーミヨ)のパロディーで「GOetMIYO(ゴウさんミヨさん)という設定で表紙を付けています。

中面の1ページは「パリの味」にも出てくる「ラミ・ルイ」

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