2011年11月4日金曜日

フランスの食育教材…デイロール

日本で食育が喧伝され始めて10数年くらいでしょうか。食育先進国がフランスなのです。その食育教材をカレンダーにしたものをご紹介いたします。正確に言うと、フランスの小学校の教科書のための図版をカレンダー化したものです。

カレンダーの原書『DEYROLLE(デイロール)』は、パリ6区に1831年に設立された「デイロール館」という自然史博物館が始まりです。
「デイロール館」は個人コレクションとしては最大の規模を誇る自然博物館でした。
1831年はダーウィンがビーグル号で世界出航した年で、自然科学や博物学に関心が高まった時代です(余談ですが翌年日本は天保二年、ご存知“鼠小僧次郎吉”が獄門になりました)。
1831年、3代目のエミール・デイロールの時代に、この膨大なコレクションがフランスの公立小学校の教材に用いられました。フランスの子供たちは、挿絵のある大きなポスターで農作物の分布など、色々な事象を学習することになったのです。
元々フランスは、図版を多用した“百科全書”の発達した国で、18世紀にディドロ以下のアンシンクロペディスト(百科全書派)が、ルイ王朝を打倒のため真理の普及を目指し、労働職人の技術で詳細な図解による出版を果たす、という下地があったのです。それゆえ、初等教育での教材のヴィジュアル化は伝統的と言っても間違いではありませんね。

時代を経てデイロール館の経済状が破綻しそうになった時、コレクションの散逸を防ぐために、2001年にルイ=アルベール・ド・ブロイユ公(オクサマは昔取材をしたそうな。トマト公爵とお呼びしてます)が買収をしました。現在パリ6区のリュー・ド・バックのデイロール館では、さまざまな昆虫の標本や動物の剥製等が展示されています。絵入りで判りやすい内容は子どもから大人まで広く理解を助ける有効な一助となっていますね。


DEYROLLEのカレンダー(左・中央)とバイヤーの地図(右)

このカレンダーは「五感通信」 http://www.europehouse.co.jp/info.htmlでお調べください。

百科事典に地図の要素を加えたものに「アトラス」というものがあります。フランスの百科全書からデイロールの流れを汲んで、20世紀になって、1953年に『世界地理地図』が発行されましたが、これはハーバード・バイヤーというデザイナーの手によって作成されたものです(素晴らしいの参考までに)。

●Ryuzu
臨時水曜会でした。kaoriさんとオクサマに、今回は大森由紀子先生とご一緒でございます。大森先生のご指定で、六本木の「Ryuzu」でございます。いや、何ともオシャレなお店でございますね(えっ、ハルコは似合わないって? ええ、そうですよ)。総料理長の飯塚隆太さん「ラトリェ ドゥ・ジョエル ロブション」をミシュランの2つ星にした方ですね。
オープンは今年の2月1日でしたが、行ったのは初めてでございます。

0 件のコメント:

コメントを投稿