2011年11月8日火曜日

修行と稽古の間…1

昭和の御代から平成の御代に変わって、23年も残り少なくなりましたね。
段々と遠ざかる昭和の時代は1974年(昭和49年)、7月14日に86歳でお亡くなった秋山徳蔵さんの話です。
さて、秋山徳蔵と聞いて、ピンと来る方は昭和を大分生きて来た方ですね。ちなみに、峯岸嬢(ハルコブログ管理者)に聞いたら「……?」でした。
1980年に堺正章主演でこの秋山徳蔵物語がTBSでドラマ化されています。

秋山徳蔵昭和天皇の料理人だった人なのです。
ハルコが秋山徳蔵『味』を書架から引き出して読んでおりました。随分前にも読んでいるのですが、カバーもどこかにいってしまったのか見当たりません。まぁ読んだ時は覚えているのですが、再読するとそれはそれで新しい発見がありますね。
ふと、手が(眼がと言うべきか)止まった小見出しがあります。
「玄人の修行と素人の稽古」と書いてある上に、どうも気になったのかページの端も折ってありました。
その話は秋山徳蔵が料理の勉強をするために、シベリア鉄道経由でヨーロッパまで出かけた初めての「ヨーロッパ包丁修行」の中の一節です。パリに到着してからの話です。いささか長くなりますが一部引用します。

……修行といっても、すでに東京で下地があり、ベルリンでもやってきている。別に新しいことをするわわけではない。コック場の様子というものは、どこでも同じである。切る、煮る、焼く、揚げる、一応はどこでも似たりよったりである。
しかし、その中に、いうにいわれぬ、教えるにも教えらんぬ、玄妙な境地があって、修行というのは、つまり、その境地を探り出し、身につけることにほかならない。
ここいらが、素人の勉強と、玄人の修行との違いである。料理学校や、料理書ではどうにもならないところである。


いかがですか? ハルコはブログのプロフィールに“修行にでたのである”と書いているのですが、これが“稽古に出たのである”じゃ、何だか締まりませんね。
あぁ、困った、困った!
(続く)

写真は『秋山徳蔵メニューコレクション』(秋山徳蔵偲ぶ会出版部1976)より。
大正3年12月9日(初めて秋山徳蔵が大膳寮司厨長に就任したと時の献立)

●巣鴨とげ抜き地蔵
自宅の近くには、外国人(東京の特派員)No.1人気(?)のとげ抜き地蔵があります。
早朝散歩で、道祖神・猿田彦へ旅の道中の安全(週末からヨーロッパです)を祈願して、高岩寺へ。
丁度巣鴨では秋の菊祭の最中(おお、何だか秋山徳蔵と繋がってる)でした。
傘地蔵も菊の香りが一杯でしたよ。

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