2011年10月22日土曜日

肉が好き…4 肉食への禁忌(下)

ハルコが雑誌(日経おとなのOFF誌上)で料理修行をしていた時に、肉を素材として使用した順を調べてみました。鶏肉4、豚3、牛、羊、各1回の登場でした。
鶏肉が多いのは、和洋中まんべんなく使われていたのと、扱いやすい食材だということですね。
実は、この順は家庭でよく登場する食肉、という順にもなります。ところが食べたい肉の順番だと、牛肉がトップになります。
日本はあまり宗教的なタブーもなく、“自由気ままな肉食文化”を享受しています。世界の地域によっては、もっと沢山の種類の畜肉や獣肉が食されていますが、ハルコの修業では一般に入手可能な肉を選んでいるので、鶏、豚、牛、羊といったものが主流でした。
豚肉は、もう庶民の料理では定番的なポジションですが、時代や地域でどう扱われてきたのでしょうか。中国宗代の書物に「豚肉は猫の餌」と言うのがあります。
上等な肉は羊肉で、豚肉は下等な肉と見られていたのです。これには、遊牧民族である匈奴族の南下が影響されているという説があります。しかし、下等と言われようと庶民は安価な豚肉を食べ続けていたのです。
また、近東を中心としてユダヤ教やイスラム教が色々な理由で豚肉を禁忌食として、食物自体から排除されているのは現在も続いているのはご承知のとおりです。
「太った豚より、痩せた狼になれ!」と言った大先生もおりましたが、食材なのに豚くらい迫害を受けた動物は他にあるのでしょうか?
牛は神の遣いと言って尊敬される地域があるのに、豚はその形状のみで疎まれていたのです。肉世界のいじめと格差社会ですか。
しかし一時期BSE問題で牛肉、鶏インフルエンザで鶏肉が敬遠され、一挙に豚肉の地位が向上してきましたね。
ブランド豚なども色々と開発改良され、スペイン産イベリコ豚が輸入されるようになると、日本では豚肉が上等な食材としても大変認知されました。
豚肉好きのハルコとしては、豚の社会的地位の向上は嬉しいのですが、はたして食べられる運命の彼らは何と思うのでしょうか。

●18年ぶりのRossi
オクサマから誘われて、9月18日に六番町にオープンした「Rossiロッシ」に出かけました。今から18年前(1993年)に六本木で同名の店がありました。
オーナシェフの岡谷文雄さんとは18年ぶりの邂逅です。岡谷さんはあまり変わっておりませんでした。その当時の六本木の「Rossi」は客にも料理人やワイン関係者の多い独特の店でした。
ちなみに1993年にオープンしたレストランは、「ル・マエストロ(ボキューズ)」「アラジン(川崎誠也)」「アンフォール(五十嵐安雄)」「オ・コション・ローズ(井上知城)」「ラ・ビーナス(大淵康文)」らの店が立て続けにオープンした年でもあります。毎週どこかに新規のレストランが出来て東京を駆け巡っておりました(あぁ、バブルやねぇ)。ちなみに翌年は恵比寿に「タユバン・ロブション」が開店してます。

市ヶ谷駅から日テレ通りを上がり、少し横丁に入った地下のレストランです。
カウンターも合わせて22席の小さな店です。カウンター好きなハルコとオクサマは、「うん、京都の町屋の店みたいね」。沼津の地ビール(独特の苦みとコク)からスタートして、ワインは自然派のデギスタシオンで数種類。12種類のアンティパスティ(お見事)冷製パスタはハルコの大好物トリッパのジェノベーゼと温かいラグーのパスタ、イチボのステーキにドルチェ。そして、グラッパ。
フェリチタ(2000年)には行っていないので、本当に18年ぶりの料理でした。実直までに手抜きをしない姿勢は、現在の若い料理人には学んで欲しいと思うのです(まぁ、ハルコ偉そうに!)。
がんばれ、岡谷文雄さん


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