2011年10月20日木曜日

肉が好き…2 フランス料理と羊

一時羊肉がブームになったのを覚えてますか? お肉の中でも、羊肉はヘルシーで太らないという理由で、随分流行したかと思いますが、それは何だか年伝説めいてますね。
肉の脂身にはそれぞれ違う融解温度があるのです。融解温度というのは、ある一定条件で熱を加えて脂肪が溶け出す温度のことですね。
豚肉の脂身は28℃なので口に入れるだけで溶け出します。まぁ、お弁当に冷めて入っていても食べると溶けて具合が良いですね。
同様に、鶏肉の脂身は30℃牛肉は40℃で溶けますが、羊肉の脂身は44℃以上にならないと溶解しないのです。つまり、羊肉はいくら食べても体内の脂肪は溶けずに体外へ排出されるので、太らないと思っていたのですね。
25年以上前に、仕事でオーストラリアとニュージーランドへ行きました。飛行場の近くの丘に白い花が一面に咲いているのかと思ったら、それが全部でびっくりしました。
羊の牧場に行き取材しましたが、真冬に牧場で羊毛が刈られ、丸裸になって、こんどは中近東に肉として売られると聞いて哀れを覚えました。ところが、そのくせ夜になると羊の脳みそまで食べて、旨いなどと罰当たりなことを言っていたのです。

今回は、そんな羊のフランス料理での名前のお話です。
まず、動物の羊は英語で「シープ」、仏語では「ムトン」。それが、羊肉(生後300日以上の去勢雄羊)になると英語で「マトン」、仏語では「ムトン」。スペルが少し違いますが、読み方は似ています。
仏語では、仔羊も仔羊肉も「アニョー」と呼び、英語では「ランプ」といいます。最近は、仔羊肉をすべて「ラム」と言ったりしますが、本来は間違いで、「ランプ」が正しい表記なのです。
そもそも、ラムとは雄羊のこと。雌羊は脂肪の多い肉質で匂いが強く、食用としては好まれません。仏語のラムに該当する名称は「ベリエ」といいます。雄羊のベリエは、「ムトンマール」という別称もあります。
羊料理に使う肉は、基本的には雄だけです。その中でも最高の評価を受けているのは、生後100日までの仔羊。モーゼに導かれたヘブライの民がエジプト脱出に成功したのを祝って、復活祭に仔羊を神への生け贄にしたのことでも有名です。
ちょうどこの復活祭がある時期は、離乳前の仔羊の生育とに重なります。これを乳のみ仔羊「アニョード・レ」として最大の賛辞を受ける肉料理になります。
その中でも、ブルターニュ地方とノルマンディー地方境界部の浜辺の牧草地(プレ)に、塩気(サレ)の付いた牧草を食べた雌羊の母乳を飲んだ、「アニョード・プレ・サレ」は珍重中の珍重です。
羊は料理や名称の多さだけでなく、西洋文化の中でも奥深い意味を持つ動物なのです。

●柴又で撃沈!の巻 その1
柴又の山本亭へ撮影に行きました。山本亭は、伝統の書院造と洋風建築が和洋折衷し、見事な融合した建物と庭のある建築物で現在は葛飾区が管理公開しております。
良い天気でロケ日和です。いや、寅さんこんにちは。帝釈天様よろしくお願いします。
山本亭はNHKの『美の壷』でも登場した場所ですね。ハルコはつくばいで一休みです。

お庭ではフードスタイリストの城みゆきさんが、楽しくピクニックシーンをスタイリング中です(日々是ハルコ哉。にも城さんブログリンクしてます)。お昼は美味しくちらし寿司をいただきました。いや、ロケは良いですね。でも、その後…明日に続くのだ!!

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