2011年10月12日水曜日

ひなた弁当…その2

山本甲士著の『ひなた弁当』(中公文庫)の概略を簡単に書いてみます。
五十歳を目前に会社からリストラされたサラリーマン・芦溝良郎は、妻や娘からも愛想を尽かされて家に場所も無くなり、公園でドングリを拾い、食べられることを発見。それからどんどん町(と言っても自然豊かな場所)で山菜など可食可能な素材を見つけて、調理して食べたらこれが旨かったのです。
次に、偶然川で会った釣り人から釣の面白さと、やはり可食可能な魚を(外来種まで)教わり、魚を釣って料理するという展開になります(この辺はダメ人間が意外な才能を発揮するパターンですが、ちょっと突飛すぎますね)。
そんな日々を過ごしている主人公ですが、再就職も叶わず…ですが、自分の元いた会社にもお弁当を出していたお弁当屋さんの老主人と交渉して、お弁当屋さんを開業するとと、それが評判を呼び……。
ご興味の有る方は是非ご一読を。

お話の趣旨としては、リストラされた元サラーマンの活躍譚ですが、それを論じるつもりはありません。初めて読む作者でしたが、他の著作物をみると、釣関係にも造詣が深いようです。
ハルコが触発されたのは、採取生活が都市で可能かどうか、という一点です。ドングリから始まり、主人公はタンポポ、ミツバ、ノビル、キクイモ、フキに、釣では川魚のオイカワ、マブナ、テナガエビ、スジエビ、ブルーギルにウナギまで採取して弁当のおかずに仕立てます。
いやはや、可能かどうかは別にして、小説はフアンタジーですが、私たちがどのくらい採取生活の知恵を持っているどうかですね。
ちなみにわが家の一番の採取場所はK植物園です。秋は銀杏、春は青梅です。特に梅は全国の多種類の梅木が有り、下に落ちているのを採取しますが、取り寄せで紀州の南高梅をベースに採取した数十種類の梅をブレンドするので非常に深みがあるのです。
あとは散歩のついでにハーブ類を少し頂戴します(ほんの少量ですよ)。
新潟のセカンドハウスの庭の花梨にも大分実が付いてますが、近所を散歩していると、無花果や柿がたわわになってます。しかし今や“カツオ”のような子どもはいないので、柿も無花果もカラスの餌食ですね。
田舎(地方)は、当然四季の採取天国ですが、都市はどうなんでしょか? 環境の汚染など、心配な面はありますね。小説の『ひなた弁当』はある意味で、自分探しによる自己の価値観の創造物語ですが、経済的な側面から見ていくと、1個400円のお弁当を日に30個、日曜は休み(別途注文も受けますが)という稼働率で月約30万円ですが、基本の必要経費を除いた利益をお弁当屋のオーナーと3対7の比率で別ける。どのくらい利益が出るのでしょう。
果たして『ひなた弁当』で儲けるにはどのくらいか、明日のお楽しみに。

●新潟G市の日々是ハルコ哉。
二ヶ月ぶりのセカンドハウスです。花梨も大分黄色くなりましたが、はぁ、収穫している時間が無い! 朝からご飯に目玉焼きを乗せていただく贅沢(?)さ。ホホホ。


おそらくG市で一番旨い蕎麦屋「鬼七」です。この日から新蕎麦が始まりました(ラッキー!)。天ぷらは塩で(うむ、天つゆが欲しかった)、お酒は「鹿六」で。鴨焼やら出し巻き卵焼で満足じゃ!


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