2011年9月17日土曜日

物語の中の究極の晩餐…その3 コックと泥棒と、その妻と愛人

この映画はタイトル「コックと泥棒と、その妻と愛人」通り、主な登場人物は4人です。
高級フランス料理店“ル・オランディース”を舞台にコック(寡黙な)と、店の常連の泥棒(粗野で下品)と、その妻(美しい)と、その妻と関係を持つ愛人(学者)の繰り広げる物語。妻と愛人の関係に気づいた亭主の泥棒が、妻の愛人の学者を殺してしまいます。その復讐として、妻は愛人をコックに頼んで丸焼きにしてもらい、泥棒の亭主に食べさせて殺す。
まぁ、なんとおぞましい映画なんでしょう。でも、非常に面白いのでございます。
監督のピーター・グリーナウエィの独特で鮮やかな、重厚な画面からレストランの雰囲気と料理のシズル感が伝わってきます。

さて、この究極の晩餐のテーマは“カニバリズム”です。よく冗談に(まぁ、冗談じゃない人もいますが)君の●▲■は美味しそうだね、なんて会話はありますね(……?)。食の禁忌の中でも最上級のタブーでしょうね。
この「コックと泥棒と、その妻と愛人」の映画を観ていた時に、さらに古い映画を思いだしました。


「ソイレント・グリーン(SOYLENT GREEN)という映画で1973年封切り、舞台は2022年(ありゃ、10年後だ!)のニューヨークで、人口が増えて食糧難になってしまった近未来。
監督はリチャード・フィッシャーチャールトン・ヘストン主演に、共演が名優エドワード・G・ロビンソン
映画館で観たのははるか昔ですが、強烈に記憶している映画でした。
萎びたリンゴが高額で取引され、本気で未来は食糧難になったらどうしよう、と考えてしまいました。
結末は、人々を次から次へ安楽死させて、人間を加工して「ソイレント・グリーン」という食品にして食糧難を解消するという話でした。
ハルコにとってこの映画は食を考える時に原点になっているような気がします。食の安全性で無農薬や自然が良いといいながら、飢饉になったらそんなことが言えるのでしょうか?
また、生存のためには例えば昆虫を食べられるか? うむ、究極の晩餐がどんどん変な方向へ来てしましまいました。
次に紹介する本は普段見る機会も読みたいとは思わないかもしれませんが、こんな本もあるということで。

『ヒトはなぜ、ヒトを食べたか』マーヴィン・ハリス著(早川書房)
『食人全書』マルタン・モネスティエ著(原書房)
『悪食大全』ロミ著(作品社)


●ブラッスリー・クールからベーコンいただきました。

菊地さんありがとうございます。自家製ベーコンとどろぶたのソーセージです。
お薦めはベーコンをトマトソースでパスタにしてとメッセージがありました。やってみます。

0 件のコメント:

コメントを投稿