2011年8月17日水曜日

北大路魯山人『料理王国』を読む

短いお盆休みも終わり仕事に復帰しました(と、言ってもお手伝いに休みはございません)。
毎日、早寝早起きにお昼寝をしていたせいか、仕事机の前に座ると”ぼ~~っと”(いつもですが)してしまいますね(起きるんだハルコ!)。

20数年食に関心を持ちながら仕事をしてまいりましたが、ずっと良い食の本の紹介をしたいと考えていました。
これから、随時是非読んで欲しい、食関連の本のご紹介をいたします。


北大路魯山人『魯山人の料理王国』(文化出版局版)

第1回に選んだのは、北大路魯山人『料理王国』です。
魯山人は言うまでもなく、食の世界の巨人ですね。魯山人は今年没後51年(1961年逝去)ですが、この半世紀日本の食文化は著しく変化しました。
貧しい時代を経て、豊かな時代に変り飽食やグルメブームに浮かれ、そのあげくメタボ人間を多数製造し、食への不安が渦巻く日本に。
本書は、昭和35年2月25日発行の『春夏秋冬料理王国』を定本にしたものが幾つか文庫本等で出ております(興味ある人は捜してみてください)。
盛名の割に魯山人の生前に発行された料理の本は、この本のみです。
『美味しんぼ」の海原雄山のモデルとして有名で、魯山人を主人公にしたドラマもあり、何となく聞いた事がある程度でしょうか。
ほとんどの方々は実際に「美食倶楽部」「星岡茶寮」でご飯を食べたり、魯山人の器や書、篆刻を所有していなくても、食に関係するのであれば、気にして、一度は読んでおくべきだとハルコは思うのです。
その中で”美味論語……まずいものいはなんとしてもうまくならぬ”という一節があります。
魯山人は「まずいものをうまくする」ことは、どんな料理の名人といえども、なし得るものではない。と、看破しております。まぁ、当然ですね。
ところが最近は、どんなまずいものでも、調味料で誤摩化して食べさせる傾向にありますね。
ハルコのお師匠さんの野﨑洋光さんも、同様のことをおっしゃっていました。
なぜ、今魯山人が読まれなくてはいけないのか? それは時代に要求されているのだと思います。
現在、あの食文化研究家の魚柄仁之助さんと、新しい魯山人と現代日本の食文化を読み解く本の製作中です(この段階でまだ、出版社は決まっておりませんが…。ハハハ。大丈夫かなぁ)。

1 件のコメント:

  1. ブログ開設おめでとうございます! 事務所にお伺いしたときに、室内があたかも食関係の本専門の図書館さながらだったことに目を見張ったものです。これから食関係の本をどんどん紹介していかれるとのこと。その1冊めが魯山人というのが嬉しいですね。今後の展開を楽しみにしています(個人的には写真の後ろに写っている『日本兵食史』が気になっています)。

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