2011年8月10日水曜日

不便って美味しい 由来 その1

お手伝いハルコのキャッチフレーズは「不便って美味しい」です。

長年出版関連の編集やデザイン製作に携わり、中でも料理の雑誌からムック、書籍と多くを手がけました。
同じ様な内容の同じ様なタイトルがあることに気付きました。
その多くは「スピード」「手早く」「簡単に」「あっと言う間に」「ぱぱっと」的な冠が付いた物ばかりです。
そんな仕事に”屈託”を覚えていました。

その時にふと、10代後半に読んだ本を思い出しました。
H・D・ソローの『ウォールデン・森の生活』です。読んだことがある方も多いかと思います。
ソローは1817年アメリカ合衆国北東部、マサチューセッツ州のコンコードに生まれました。コンコードの近くのウォールデン湖の畔に小屋を建てて、2年2ヶ月住みついて湖とその周辺を観察した手記を、1854年に出版されました。
この通称『森の生活』はその後ハルコの座右の書となりました。
その中の一節の、「何も無しで暮らせる生活が一番豊かな生活である」が信条となりましたが(えっ、ハルコは人一倍物欲が強いだろうって?)、現実はそうは行きませんね。
「何でもある=便利」が「何も無しで=不便」でも、手間や工夫することにより「美味しい」と結びつけたのでした。

しかし、右手で便利を唱え、左手で不便を礼賛するという自己矛盾に陥るのでした。
極端に全てを自分で作ることも、あるいは逆に全てを第三者に委ねることもどちらも嫌ですね。
そうなるとソローの精神とハルコの精神をどこで折り合わせるか…それが問題だ!

30年も前の家庭雑誌の中に、各国の主婦による座談会のコーナがありました。インドから来た女性は「日本人は恵まれている(この話は30年も前のことです。念のため)」日本の主婦は例えば、鶏肉を買う時にきれいにパックされているのを買って来るが、インドでは生きている鶏を買って自分で処理する……」まさにこれはソローのテーマだと思うのです(つづく)。

トリッパ
オクサマの仕事が片付かず、晩ご飯が10時(夜ですよ)過ぎになってしまいました。まぁ、よくあることですが……。 この晩は西麻布の「OSTERIA GATTO NERO」へ出かけました。 アンティパストミスト、ポルティーニのパスタ、仔羊のミラネーゼ・ケツカソースをいただきましたが、「トリッパ」は大丈夫ですか?と聞かれました。
何を隠そう(まぁ、隠すほどのことではないですが)トリッパは大大大好物なのでございます。ホホホ!
「トリッパは大好きです。特にアラビアータにしたのが」とオーダーし、アンティパストミストの中に熱々の器に入ったトリッパを美味しくいただいたのでございますよ。
よく考えるとメニューにトリッパがあればほとんど迷う事なく頼んでますね。何でしょうか。その内どこかにトリッパ塚を建立せねば祟られるやも。
ハルコは何でトリッパが好きなのでしょうかね。
トリッパはご存知の様に牛(羊なども)の胃のことで、イタリア語で「TRIPPA」フランス語では「TRIPES」(トリップ)といいます。
今まで、食べたトリッパ(トリップ)で強烈に覚えているのは、パリで一番のトリップ料理店「PHARAMOND(フェラモン)」で食べた「Tripes à la de Caen(カン風トリップの煮込み)」カンフウと言っても格闘技ではありませんよ。ノルマンディ県の県庁のあるカン市のことです。ノリマンディの特産シードルで煮込んだトリップのなんて大きく、量のたっぷりの料理でした。


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